初級巡礼1-1 埼玉古墳群 (さきたまこふんぐん)

はじめに


写真1 埼玉古墳案内図

まず、このページは2ページで構成されています。下のほうにリンクがあるのですが、飽きてきて、2ページ目を見ないともったいないので、とりあえずここにも張っておきます。>>>続きの八幡山古墳

埼玉古墳群は埼玉県行田市にあり、関東ではそれなりに知られている古墳群です。特に埼玉の人は“遠足に行ったけど、あまり記憶にない”という思い出で知られているようです。。。。

古墳上級者にはちょっと物足りないかもしれませんが、ファースト古墳としては、なかなか良い古墳だと思います。私はいままで古墳普及?のためここに何人となく連れてきました。。なお、春は桜が咲きますので、お花見にも良いところです。

埼玉古墳群は、9個の古墳からなる古墳群で、国の史跡として登録されています。また、古墳群の稲荷山古墳から出土した金の文字が書かれた鉄剣は、その書かれた内容が当時のことが解る数少ない重要資料でもあり、他の出土品と共に国宝に指定されています。

これらの展示物は、展示館で本物を(どこかに出張していな限り)見ることが出来ます。

詳細は、妙に萌えページなさきたま史跡の博物館でご確認ください。

さてアクセスですが、有名古墳ですのでナビでも検索できますし、地元の方に聞いても知らないことはないでしょう。なので、今回は省略です。




今回は、古墳と展示館を上の図の順番に回ります。これが一番効率的かと思うのですが、展示館の閉まる時刻なども考えつつ、ご自由なルートでお楽しみください。

丸墓山古墳


写真2 丸墓山古墳


写真3 丸墓山古墳からの眺望


写真4 丸墓山古墳墳頂から下を望む

まずは、北側に歩いて、丸墓山古墳に登ります。丸墓山古墳は日本で、1位もしくは2位の大きさを誇る円墳で、半分周豪に覆われています。二段築成の意外と急な階段を登ると、大変見晴らしの良い景色に、ああ死んだらこういうところに眠りたいと思うのも当然かなあ。などと考えてしまいます。

秋に行くと、田んぼの色も美しく、昔もこんな景色だったのだろうかと考えさせられまます。

墳頂は風も流れて、なかなか心地よい場所ですが、ぜひこの昔の人が盛った土の感触も体感してください。何とも言えない雰囲気を感じないでしょうか。

さて、丸墓山も堪能したしそろそろ降りようかと、奥の階段に向かうと、墳丘がこんなに急な坂であったかと、また再認識することと思います。これだけの急斜面を作成し、なおかつ千年以上もその形を保つことは、やはりそれなりの技術と尽力をもって作成したことの成果に、他なりません。

では、一歩一歩踏みしめつつ、次の稲荷山古墳に向かいます。


稲荷山古墳


写真5 稲荷山古墳主体部(礫槨)


写真6 稲荷山古墳主体部(粘土槨)

稲荷山古墳は、国宝の鉄剣が出土した有名な古墳ですが、登る前に、なんか不自然さを感じるかもしれません。後円部(丸い側)はなんとなくいびつなのに比べて、前方部(四角の側)が、妙にキッチリしています。

実は、前方部は埋め立てのために土が取られて、後から復元したものなのです。国宝がでた古墳なのに、昔はひどい扱いをされてきたものです。

さて、後円部を登って、いきなり写真は人が埋まっていた場所(主体部)ですが、ここには二つの主体部がありました。一つが写真5の石を積んだ礫槨(れきかく)、もうひとつが写真6の粘土で出来た粘土槨です。

なお、二つの主体部共復元されたもので、実物ではありません。もちろん、このような主体部が見える状態であった訳もなく、この上に蓋をして土を盛って埋まっている状態であったわけです。

ただ、この二つとも後円部の中心からズレており、本当は他にも主体部があったという説もありますが、個人的にもあながち間違っていないだろうなと思います。

ちなみに、これらの主体部は前期型古墳の埋葬施設になる、竪穴式石室の一種ということになります。



写真7 稲荷山古墳後円部から前方部を望む


写真8 稲荷山古墳造り出し部分

さて、ここで後円部から前方部を見てみましょう。うん、なんとなくウソくさい再現墳丘ですが、なんとも言えない美を感じないでしょうか。

左右に動いて見てみてください。三次元の美しさというのを実感しないでしょうか?

丸墓山のような円墳ですと、ある面想像出来る形ですが、前方後円墳の形は想像以上に見る角度によって、違う表情を見せてくれます。

次に、後円部を降りて、前方部に向かいます。途中でもいろいろ三次元の立体感を感じることと思います。

造り出し部分を確認してみましょう。この古墳のばあい、後円部の左手からむにょっと生えています。実は奥の山古墳の最近の調査で造り出しが偽物だったという話がわかったので、この形が正しいのかは、ちょっと疑問なのですが、、、

さて、ここで残念なお知らせがあります。実は埼玉古墳群では、登れるのが丸墓山古墳と稲荷山古墳だけなのです。

そうです、登れる貴重な古墳の二つを早々に登ってしまいました。この登れる古墳が二つだけ、というのが、埼玉古墳群の一番の不満点なのですが、、、、なんとかしてくれないかなあ。


将軍山古墳


写真9 将軍山古墳


写真10 将軍山古墳 (反対側)

稲荷山古墳から南東側に、埴輪が並べられた、ちょっとファンシーな古墳が見えます。これまた、ちょっとばかり造り物っぽい形をしているのですが、なかなかきれいな形です。

あ、写真9の角度、この角度の古墳の見え方が、個人的に好きです。自分が撮った古墳の写真を見ると、この角度が多くて、やっぱ好きなんだなあと実感します。でも、綺麗だと思いません?

っと歩いてきて、反対側をみると、あらまあ一変、サイバーな雰囲気が見えます。

将軍山古墳は何と内部は展示室になっています。コンクリも使われて、最新式ですね。。。

さて、お金を払って内部を見てみましょう。あ、このチケット、後でもう一回使いますので、なくさないように。

ここでは、後期古墳の主体部である横穴式石室とその副葬品の復元が見えるのが特徴ですが、個人的には、入ってすぐのところにある、層にして土を固めた状態の展示が好きです。

エアコンも効いてますし、椅子もありますので、夏、冬はここで一休みして行きましょう。


二子山古墳


写真11 二子山古墳 (後円部側から)


写真12 二子山古墳 (前方部側から)

さあ、少し戻って次は二子山古墳です。この古墳は埼玉古墳群最大の古墳で全長138 mです。

このような大きな古墳の中を歩いているとちょっと大きさの感覚がずれてくるのですが、ちょっと思い出してみてください。通っていた小学校で50 m走のためのライン、どのようにひかれてました??

そうですよね、それを考えると、138 mというのは、相当な大きさですよね?

その、二子山古墳ですが、これは復元ではありません、後々の手が入っていないので昔から風化して、変化した姿になります。うーん、何とも良くないですか?

写真11は後円部側から、写真12は前方部側から撮った写真です。写真11ではなんとなくどちらが丸くてどちらが四角いのか分かりにくいのですが、写真12では手前の盛りあがりは、斜めの角が何となく見えてくるので、やっぱ四角い方だなと思いますね。

そういう目でもう一回写真11を見ると、そのような角は無いですし、やっぱ手前は丸い方です。

この古墳は分かりやすいですが、前と後ろが分かりにくい場合は、なんとなく端っこから比べてみてみると、前後が分かると思います。


瓦塚古墳


写真13 瓦塚古墳

道をわたって、博物館側に来ました。瓦塚古墳は博物館のすぐ近くにある古墳です。

この古墳は、登れないのですが、堀の中にも入れますので、堀の感覚、造り出しなど堪能してみてさい。

なあ、ちょっと疲れてきたかも、という方はちょっと見て、次の博物館に向けて体力を温存しておいてください。


展示室


写真14 展示室

さて、埼玉古墳の展示室ですが、先ほどの将軍山の展示室と同じチケットで入場できます。入場料は2009年10月では大人300円でした。5年ほど前は50円だった気がするんですが。。

なお、書類を書けば撮影出来ます。ですが、Webにupするなと書いてあったので、残念ながらここには中身の写真は無いです。

もちろん、鉄剣、鉄剣とかぶりつきで見るもよし、埴輪に萌えるもよしですが、個人的には入って右手便所の前にある、関東地方の古墳の分布を表した地図が秀越だと思っています。

等高線が入っていて、古墳がどのような地形に育つのか、一目瞭然です。

ちょっとばかり展示施設が古いので、照明などの関係でちょっと見にくいものもありますが、国宝を含めた埋葬品の数々を堪能できると思います。


奥の山古墳


写真15 奥の山古墳


写真16 奥の山古墳現地説明会

さあ、埋葬品やはにわを堪能したら、再び古墳に向かいましょう。展示室をでて右手に行きます。こちらの方は、埼玉古墳群に来た方でも、足を伸ばす方がすくなく、なんとなくひっそりとしています。

個人的にはこのひっそりな雰囲気は、好きなのですが。。。

さて、奥の山古墳は2007年から発掘調査がされ、堀の形など後の改編で本来の姿とは変わってきていることがわかりました。2009年の調査で、腐葉土等でかなり本来の大きさより膨らんでいることも分かり、本来はもっとほっそりしていたようです。また、造り出し部分も、後から大きめに造ったもので、実際はかなりほとんどなかったようです。

2009年の現地説明会では墳丘に登ることができましたが、通常時は登ることはできません。

この登った墳丘の感覚は、腐葉土の柔らかい土で、いうならば贅肉みたいな感じです。本当に手入れのされていない古墳はメタボ化するんだと、チと考えました。

この古墳の全長は70mですので、先ほどの二子山の半分ぐらいになります。かなり雰囲気が異なりますよね?このサイズなりの雰囲気というのが、また古墳を見ていく楽しみであったりします。


中の山古墳


写真17 中の山古墳

中の山古墳は写真17の方からみると、ほっそりとあまり凸凹を感じませんが、一周ぐるっと回ってみると、やはり前方後円墳の香りを感じると思います。

畑になっていた時代もあるため、純粋な風化ではないですが、なんとなく、このような変化もありかなあ、などと思いつつ、元の姿を想像するのも楽しいでしょう。


鉄砲山古墳


写真18 鉄砲山古墳

鉄砲山古墳も、なかなか美しい古墳です。反対側は、、、、ちょっとお楽しみ。

この古墳は全長109 mで二子山と先ほどの奥の山/中の山との中間ぐらいですが、受ける印象は結構変わると思います。

このような雰囲気をいくつも見ていくと、墳丘を見ただけで、ああ、100mくらいかなあ、などと分かるようになってきます。私はプラスマイナス10 mぐらいでは言い当てられるようになってしまいました。。。。


その他


写真19 移築民家


写真20 さかもと

埼玉古墳公園の中には、移築民家があったりしますので、古墳を見た後に、もう少し新しい時代でワンクッションおいてから、現代に戻りたいという要求にこたえることも出来ます。

また、駐車場横にあるはにわ処さかもとは、変なお土産物が買えるお店で、覗いて見ても面白いでしょう。



写真21 時刻表

あと、ひとつビッグニュースとしては、バスの本数が増えました。とはいえ、一日5往復ですけど、公共交通機関により来れなくはない古墳となりました。



と、ここまできて、(というか、奥の古墳も見ることなく)普通の人は帰ってしまうのですが、ここで帰ってしまっては大変勿体ない。。。

埼玉古墳群の近くには、八幡山古墳という、大変大きな横穴式石室を持つ古墳があります。ここを見ないと行田に古墳見物に来た意味がありません。

この八幡山古墳については、次のページで詳細を書きます。

あ、行田といえば、フライという変わった食べ物があります。一通り埼玉古墳群を回っておなかがすいたら、ぜひフライを食べに行ってから、八幡山古墳に行きましょう。フライのお店は土日3時ぐらいには閉まってしまいますので、ご注意を

では、続きの八幡山古墳をどうぞ。


作成日: 2009年11月 8日
最終更新日: 2009年11月12日

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